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大腸肛門科
なかなか聞けないお知りの質問 症状別にクリックすると、もっとも考えられる疾患の説明に移ります。症状は個人差があり、とりあえずの対応の目安として下さい。早期の肛門科専門医への受診をおすすめします。

◆Question

Part.1 おしりが、痛くて仕方ない!
Q-1 おしり(肛門)の縁に小指頭大〜母指頭大のしこりができ、触れると痛い。戻せない。
Q-2 おしり(肛門)の一部または全周性の脱出(はれ)がある。痛くて戻せない。
Q-3 おしり(肛門)の近くの皮膚が赤く腫れ上がり触れると痛い。熱感を伴うこともある(時に膿の出る事がある)
Q-4 おしり(肛門)の周囲がヒリヒリして痛い。かゆみを伴うことがある。
Q-5 おしりの奧が痛い。肛門周囲に特に変化はない。
Q-6 排便時、または排便後おしり(肛門)がズキッと痛む。しばしば出血を伴う。

Part.2 おしりから、いっぱい出血した!
Q-7 真っ赤な血が、ポタポタ。痛みは無い。
Q-8 真っ赤な血が、ポタポタ。痛い。
Q-9 粘液又は、膿混じりの血が出る。
Q-10 赤黒い血がいっぱい出た。
Q-11 タール用の黒い便がいっぱい出る。

Part.3 おしりが腫れた!、イボができた!
Q-12 肛門の近くがなだらかに赤く腫れていつも痛い。徐々に進行。ぶよぶよしてきた!
Q-13 肛門縁が突然小豆大から指先程度に腫れ、中に戻せない。いつも痛い!
Q-14 肛門縁が全体に腫れ上がり、内側は赤く腫れ外側は暗紫色に腫れている。戻せない。いつも痛い。
Q-15 主に排便時に肛門内から指先程度のものが脱出してくる。手で押し戻すこともある。痛くない。
Q-16 主に排便時にコリっとしたイボ状の物が、脱出してくる。中に戻すと楽になる。しばしば痛みと出血を伴う。
Q-17 主に排便時に肛門内から赤い粘膜が筒状(全周性)に脱出してくる。時にこぶし大。痛くない。
Q-18 数年前から肛門縁に柔らかいイボのようなものがある。いつもみられ、痛みはない。


◆Answers

A-1

血栓性外痔核と思われます。


血栓性外痔核とは?
血栓性外痔核 1. 肛門縁から肛門上皮にかけて静脈がうっ血し、血栓(血ま
     め)ができて生じるもの
です。寒さや、排便時のいきみ等
     で肛門の静脈がうっ血を来すと生じやすい様です。
2. 下痢を契機として、男性に発症することが多いのも特徴
     です。
3. 外痔核は急性期を過ぎれば痛みはなくなります。また、
     血栓を伴わない外痔核もあります。


治療(手当て)は?

  • まず、排便を整えること。(下痢を治めること)
  • 腰から下を十分暖めること。(毎日お風呂に入ること)
  • 長期の立位・座位をさlけること。
以上の様に、日常生活に留意し、坐剤にて軽快していきますが、母指頭大程までになると、疼痛の緩和までに時間がかかります。
この場合、専門医にて、局所麻酔科に切開してもらい、血栓を摘出するだけで、劇的に症状は緩和します。

A-2

嵌頓痔核と思われます


嵌頓痔核とは?
嵌頓痔核 内痔核(いぼ痔の代表)が大きくなり肛門より脱出を繰り返すうちに、脱出したまま肛門の縁で締め付けられて、うっ血をきたし、急激に増大した状態をいいます。

通常、肛門縁の外痔核も伴い、疼痛が強く、戻すことができません。


治療(手当て)は?

  • 肛門疾患の中でも、痛みはトップクラスです。自ら戻そうとすると、痛くてかえって肛門括約筋を締めてしまい、戻すことは困難です。その為医者に駆け込むケースが多いようです。
  • 医者に戻してもらった後、ひどい痔だからといって、すぐに手術をすすめられる方もいるようですが、嵌頓したためにさらに大きくなったものであって、元に戻せば2〜3時間程の安静で、みるみる小さくなっていくものです。
  • ですから、すぐに手術をすすめることは、感心できません。(避けましょう)
  • 一人で戻すコツは、息んで排便するつもりになって、手指の腹で脱出物を押してみて下さい。結構楽に戻せると思いますよ。
  • 還納後は、できればお風呂で腰から下を、じっくり暖めましょう。
  • 外出先で、お風呂が無理ならば、使い捨てカイロで局部を暖めることも有効です。
  • ただ、嵌頓痔核の場合はやはり、早めの専門医への受診が望まれます。
内痔核とは?
肛門の奧、肛門上皮と直腸粘膜の境界(歯状線といいます。)の直腸側の痔静脈が腫れて、静脈瘤となった状態をいいます(直腸粘膜が緩んで脱出するタイプもあります。)。直腸粘膜側の腫脹ですので、痛みの神経はなく、通常は(大きくならないうちは)痛みません。

A-3

肛門周囲膿瘍と思われます。


肛門周囲膿瘍とは?
肛門周囲膿瘍 文字通り肛門の周囲に膿のたまった状態をいいます。

具体的には、肛門上皮(肛門の入り口の皮膚の部)と、直腸粘膜の境界部(歯状線)に存在する肛門小窩と呼ばれるくぼみから、肛門腺と呼ばれる分泌腺に向けて細菌が入り込み、化膿して膿が貯まった状態をいいます。

いわゆる、あな痔(痔瘻)の前段階の状態で、膿によるトンネルが貫通すると一部を除いて痔瘻になります。肛門周囲膿瘍がすべて痔瘻になるわけではありませんが、単純なタイプでは約70%が痔瘻になると考えられています。

痔瘻や肛門周囲膿瘍は、比較的下痢症の男性に多いのも一つの特徴です。膿が、肛門周囲の皮膚に自潰して、トンネルが形成される場合もありますが、多くは皮膚は赤く腫れ上がり、熱感を伴い排便と無関係にズキズキ痛みます。

まれに、肛門周囲に変わりのない高位筋間痔瘻や複雑痔瘻では、診断・治療方針の決定が難しく、専門医による診察が強く望まれます。

治療(手当て)は?
まず、お風呂はさっとにして、長風呂は避けましょう。症状悪化の原因になります。

疼痛が高度になってきた場合の応急処置として、切開・排膿術を受けると症状は劇的に改善します。

肛門周囲膿瘍は、トンネルが貫通すれば痔瘻になり、症状は改善しますが、痔瘻は自然治癒することはなく、手術以外に治療法はありません。

肛門周囲膿瘍を放置すれば膿瘍が増大し、疼痛が増悪するだけでなく、痔瘻の複雑化を促します。また、痔瘻も放置することにより膿瘍を繰り返し、痔瘻の複雑化の主因となります。複雑痔瘻を長期間放置すると、ガン化のリスクが高くなるといわれています。

肛門周囲膿瘍の中には、診断が困難なものもあり、可能な限り、専門医の元で診療を受けられ ることをおすすめいたします。

A-4

肛門周囲皮膚炎と思われます。

肛門周囲皮膚炎とは?
肛門周囲皮膚炎 肛門周囲の皮膚が炎症を起こすもので、原因として、下痢、痔疾患によるもの、真菌症によるものがあり、また、神経質な方で、肛門の洗浄を執拗に行っている方や、逆におしりを不潔にしている方にもみられます。まれには、蟯虫等の寄生虫によるものや、黄疸・アレルギー体質等全身疾患の一部として生じることもあります。これらにより生じた皮膚炎のため掻きむしることにより、疼痛が生じてきます。

また、慢性裂肛や脱肛等によって生じた皮垂や外痔核により、排便後きれいにふき取りにくくなることも一因となります。

治療(手当て)は?
原因の治療が重要です。すなわち、便通を整えること、痔疾患、真菌症或いは、アレルギー等が疑われるようならその治療をすることが重要です。

とりあえずの手当てとしては、まず、便通を整えること、そして肛門を掻かないこと、清潔にしておくことです。すなわち、排便後の肛門の洗浄や、毎日お風呂に入ることが大事です。肛門を石鹸で洗うと皮膚のかぶれを悪化させることがあります。

ひとりで悩まず、早めに肛門科専門医の診察を受けましょう。

A-5

熱感を伴うようであれば、初期の肛門周囲膿瘍又は、特殊な肛門周囲膿瘍(高位筋間痔瘻等)が考えられます。
また、出血を伴うようであれば、肛門腫瘍(肛門ガン)も否定できません。

肛門周囲膿瘍とは?

肛門腫瘍(肛門ガン)とは?
肛門腫瘍(肛門ガン) 肛門縁より3cmぐらいの長さの肛門管に生じたガン。

肛門付近が硬くしこるようになり、圧痛を伴い、痛みは排便と無関係に持続的になっていきます。出血は、あまり多くはないことが多いです。

発生場所は、肛門管粘膜側から生じるものと、長期の難治性痔瘻(特に複雑痔瘻)から生じる痔瘻ガン等とに大きく分けられます。

なお、直腸ガンも肛門側に進展してくると、肛門ガンと同様な持続的疼痛を伴うようになります。

治療(手当て)は?
肛門ガンは、比較的早期のうちから、出血・疼痛等の症状が出やすく早期発見がしやすいようにも思えますが、実は、痔と思って放置する人が非常に多く、かなり進行してから来院する方が非常に多いようです。

一人での診断は不可能です。一人で様子を見ていたり、市販薬で治療を続けていては、決して直らないどころか、どんどん進行し、手遅れとなることもあります。

早期のものであれば、簡単な手術ですむ場合もあるので、早めに専門医を受診しましょう

A-6

裂肛(切れ痔)、肛門潰瘍(慢性裂肛)が考えられます。ごくまれに肛門異物である事もあります。

裂肛(切れ痔)、肛門潰瘍とは?
裂肛(切れ痔)、肛門潰瘍 肛門上皮が裂けて傷ができたものを、裂肛(切れ痔)といい、これが慢性化し、潰瘍化したものを肛門潰瘍といいます。

裂肛の時期は排便時のみの疼痛ですむ事が多いですが、肛門潰瘍になると排便後もしばらく疼痛が続く事が多いようです。

いずれも若い方に多くみられ、女性の場合は便秘症の方に多く、男性の場合は下痢症の方に多いようです。

また、裂肛が慢性化し肛門潰瘍になると、疼痛が増すばかりでなく、肛門乳頭部の肥厚をきたし、肛門ポリープ(良性です。)が生じ、皮膚側には皮膚のたわみ(見張りイボ)が生じてきます。

また、裂肛を繰り返したり、肛門潰瘍の状態になると繊維化進み、肛門が狭くなることがあります(肛門狭窄)。肛門狭窄では、排便時に息む事が多くなるだけでなく、健康な太い便の排出はできなくなり、形の整わないバサバサ便しか出せないようになります。

治療(手当て)は?
初期の裂肛であれば、毎日の入浴や排便後の洗浄により肛門を清潔に保ち、便通を整えることで、改善することが殆どです。

便の硬さは練りは磨き粉より少し固め位が良いようです。また、排便時のいきむ習慣を改め、排便時間をできるだけ短縮する事が重要です。

裂肛が繰り返されるようになり、容易に改善しない場合は、潰瘍化しないうちに早めに専門医に受診し、軟膏、坐剤等の薬物療法も併せた治療を受けましょう。これで治まる可能性は十分にあります。しかし、これでも治療が長引く場合は、簡単な(日帰りの)手術(要手拡張術、側方内括約筋切開術、ドレナージ手術等)が必要となることもあります。

肛門潰瘍となった場合は、保存的治療よりもむしろ、手術的治療の方が多いです。その方法は、様々ですが、肛門狭窄を高度に合併している場合は、十分な括約筋切開をおいたり、皮膚弁を形成したりといった手技が必要となり、数日ぐらいの入院が必要になることもあります。

裂肛が肛門潰瘍・肛門狭窄に進展している症状を伴うようであれば、それはもはや自己判断での治療の限界を超えており、早期の肛門科専門医への受診が望まれます

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A-7

内痔核による出血が考えられます。まれに、直腸、肛門腫瘍(癌)によることもあります。
内痔核とは?
裂肛(切れ痔)、肛門潰瘍 直腸下端と肛門管にある静脈叢が、うっ血により腫れ、静脈瘤を形成したものが内痔核です(静脈瘤説)。直腸粘膜が緩んで脱出するタイプもあります。


<原因・増悪因子>
2本足で立って歩くヒトの宿命と言える。
便秘のためトイレで強く息む習慣のある方、又は下痢気味のため頻回にトイレで息むことの多い方。→→→痔静脈のうっ血を来たし、内痔核を引き起こす。

長時間の立位、坐位、日常生活の不摂生、アルコール過飲、ストレス、妊娠、出産等。

職業では、長時間の運転手、事務系職員、長時間厨房にいる調理師等。

スポーツでは、ゴルフ、バッティング等瞬間的に強くおしりを閉めるものや、自転車の運転。また、冬場や、クーラーの強く効いた部屋に長時間居ることもよくありません。

<内痔核の進展度>
第T度 核が脱出しないが、出血する。
第U度 痔核が脱出するが、すぐに自然に戻る。
第V度 痔核が脱出し、指などで押し込まないと中へ入らない。
第W度 痔核が常時脱出したままの状態。
(第V度と第W度を、脱肛という。)
内痔核が進展すると、排便時、真っ赤な血液が走るように出たり、ポタポタ垂れたり、わずかに紙に付いたりします。また、内痔核が大きくなると、血栓を生じるようになって外痔核も併発し、疼痛も伴うようになります。

治療(手当て)は?
一般に、第V、W度の内痔核は手術が必要と言われているがそれは間違い。
あくまでも、良性疾患であり、また個人差もあるため、個々の症例により手術 の適応を決めるべきであると考えます。実際、内痔核で加療する患者の7〜8割の方々は、保存的加療(手術をしない治療)で良くなります。

<保存的治療>

  • 長時間の立位・坐位を避ける等、肛門への刺激を避ける。
  • 毎日入浴する・排便後肛門を洗浄する等、肛門を清潔にし、かつよく暖めて血行をよくする。
  • 便秘・下痢を是正し、良好な排便となるようコントロールを行う。
    その上で、薬物療法(座薬・軟膏等)を行うことにより、大抵の症状は改善します。

このような保存的治療でも、腫れ、痛み、出血等の症状を繰り返すことにより内痔核が進行することもあります。それでも日常生活に支障無いようなら、手術の必要はありません。しかし、毎日、不快な思いをするようならば、手術も必要となります。

<他の治療法>

  • ICG併用半導体レーザー凝固療法
  • 硬化療法
    1. フェノルアーモンド(パオスクレーR)による硬化療法
      以前から行われている注射療法。比較的手軽に行われるが、有効期限はおよそ1年程度とされている。硬化剤を出血する内痔核内に注入。

    2. ALTA療法(ジオン注Rによる硬化療法)
      2006年より保険適応となった、新しい注射(硬化)療法。正式には『内痔核に対する4段階注射療法』。対象は内痔核のみ。

      アルミニウムとタンニン酸を主成分とする。アルミニウムによる強い繊維化作用により内痔核成分を硬化させ、筋層に固着させることにより、脱出しなくなる。V度、W度の内痔核にも有効。根治術に引けを取らない成績であるが、再発率は十数%とされている。(実際には数%と考えられている)

      主に下半身麻酔(腰椎麻酔)、仙骨硬膜外麻酔、または局所麻酔下に施行。

      本人への負担は軽く、短期入院、または日帰り手術で行われる。

  • ICG併用半導体レーザー凝固療法
    肝機能の検査目的に使用される色素(インドシアニングリーン:ICG)の吸収波長(810nm)と同じ波長を持つ半導体レーザーを用いて行う低侵襲の治療法。

    ICGを目的の内痔核内にあらかじめ注入し、青く染まった内痔核に対し半導体レーザーを照射する。

    主として、V度でも軽いもの、或いはU度の内痔核に有効。

  • 結紮術
    主に痔核に対して糸で縛ったり、結紮器(Mc Givney)を用いて結紮する。

  • 結刷・切除術、半閉鎖法
    現在行われている、最も標準的な根治手術。内痔核、外痔核とも同時に切除可能で、疼痛軽減のため肛門管内は閉鎖する。再発は殆どない。

<当院での治療方針>
@ 生活・排便習慣の指導及び薬物による保存的治療

A ICG併用半導体レーザー凝固療法

B ALTA療法(ジオン注Rによる内痔核に対する四段階注射療法)

C 結紮術

D 結紮切除術(+半閉鎖法)

まず@の方法で治療開始し、1-2カ月の経過で@以外の方法を検討します。
Dの結紮切除術は専門医であれば第一選択とする術式で術後の再発は殆どありません
Aの半導体レーザー凝固療法、BのALTA療法は各々単独療法では術後の痛みは殆ど無く、日帰りないしは短期入院での対応が可能です。
実際の手術ではA〜Dの手技を組み合わせることもしばしば行われ、患者さんにより負担の少ない治療を心がけています。

直腸がん・肛門がんとは?
直腸がん・肛門がんでは、しばしば出血は鮮血で、内痔核や裂肛と同様の症状を呈します。粘血便のこともあります。このうち、直腸がんは痛みを伴わないことが多く、肛門がんは疼痛を伴うことが多いです。
この為、例え真っ赤な出血であっても、血便を認めた場合は、自己判断はせず、専門医受診が必要です。

A-8

裂肛による出血が考えられます。外痔核を合併した内痔核、または肛門上皮に近い肛門腫瘍のこともあります。

裂肛(Q6)外痔核(Q1)内痔核(Q7)肛門腫瘍(Q7)

A-9

直腸腫瘍(癌)、直腸脱、直腸粘膜脱、直腸粘膜脱症候群の他に炎症性腸疾患(IBD潰瘍性大腸炎、クローン病)が考えられます。その他、細菌性腸炎、薬剤性腸炎、虚血性大腸炎、放射線性腸炎のこともあります。いずれも腹痛、下痢等腹部症状を伴うことが多く、大腸内視鏡検査、便培養、あるいは起因薬剤の中止による改善等で診断は容易です。

直腸腫瘍(癌)

直腸脱とは?
直腸を上につり上げている筋肉や靱帯などの支持組織がゆるみ、その結果、直腸が肛門の外に出てくる状態。脱肛とよく間違われます。多くはこぶし大程度に直腸が脱出してきますが、通常の診察だけでは診断がつかないことが多いです。便器上で強くいきんで行う診察(怒責診)で容易に診断されます。

<原因>

  • 加齢により、筋肉・支持組織がゆるみ、締まりが悪くなるために起こることが多いとされています。
  • また、出産回数の多い婦人や、高齢者、子供にも見られます。

<分類>

  • 不完全直腸脱・・・直腸粘膜だけ脱出
  • 完全直腸脱・・・・直腸粘膜と直腸筋層が共に脱出
  • 完全脱+脱腸・・・完全脱に小腸等のヘルニアが加わったもの

<治療(手当て)>

  • まずは、脱出した腸管は、愛護的に慎重に還納してやることが大事です。また、息むことにより脱出してくるので、重い物を持ったり、トイレで息んだりするとき注意が必要です。
  • 手術治療が必要・・・肛門側からのアプローチ(腰椎麻酔又は仙骨硬膜外麻で行い、脱出する直腸粘膜に多数の結紮を置いて還納し、肛門を縫縮する、三輪−Gant-Tiersh法が代表的)と、開腹手術(全身麻酔下に施行。多くは、直腸を仙骨全面に固定するもの。腹腔鏡下でも行われる。)に分けられます。
  • 幼児の場合は、すぐに手術はせず、まず保存的に経過を見ます。多くの場合、括約筋がしっかりしてきて自然に治癒することも多いようです。

直腸粘膜脱とは?
直腸粘膜がゆるくなり、排便時粘膜が一部脱出する状態。ホワイトヘッド手術(以前、内痔核に対してよく行われた手術で、痔核を含め、全周性に切除してしまう手術。手術後一時的に経過は良好となるも、時間と共に肛門狭窄、粘膜脱等の合併症を生じることが多く、現在は殆ど行われていません。)の後遺症として、また長期経過した裂肛による肛門狭窄に付随して、更には高齢で直腸粘膜の支持組織が弱くなって出現することが多いようです。

<治療(手当て)>

  • 脱肛との鑑別のためにも、まず専門医に診てもらうことが大事です。多くは、座薬等の薬では症状は改善しません。手術が一番の治療法です。
  • 手術療法は、脱肛に準じて行われています。

直腸粘膜脱症候群とは?
比較的希な良性の疾患です。

<症状>
潜在性又は、顕在性に直腸粘膜が脱出する状態となり、多くは下血と粘液便を訴えます。

<特徴>

  • 40歳以下の若年者に多い。
  • 病変部は、肛門縁から4〜15cmの下部大腸に多い。
  • 排便時、長時間の息みを繰り返すヒトが多い。
  • 形態に多様性があり、経時的な変化も見られます。即ち、潰瘍を伴ったり、隆起やひだの腫大を伴ったりします。この為、直腸腫瘍(癌)と誤診され易く、注意が必要とされています。
  • 確定診断を得るためには、内視鏡下での観察と、生検による病理組織学的検索が必要です。
<治療(手当て)>
自己診断は不可能であり、上記に該当する症状、慣習のある方は他の疾患と鑑別してもらうためにも、早期に専門医を受診する言葉望まれます。その結果、当疾患であるとされれば、排便習慣のコントロールを主とした保存的治療で症状は良くなり、手術は必要がありません。

潰瘍性大腸炎とは?
クローン病と並んで、炎症性腸疾患を代表する疾患。原因は不明で、近年罹患率が増加中です。

<症状>

  • 20〜30代で発症することが多く、発症は通常緩徐で、一般に慢性的に経過します。
  • 但し、急激な発熱、腹痛、粘血便で発症する事もあります(急性電撃型)。
  • 下腹部痛、粘血便、血便、下痢、発熱が主症状です。
<病態>
  • 発生部位は、直腸から盲腸までの大腸のみとされています。
  • そして、直腸を中心として口側に向けび漫性・連続性に病変が進展していくのが特徴です(最近は深部大腸のみ炎症が見られる亜型もときどき見られます。)
  • 病理所見として陰窩膿瘍を特徴とする、粘膜に限局する慢性炎症性変化を認めます。
<治療(手当て)>
  • 適切な加療を早期より行うことが必要です。
  • 内科的治療
    1. 栄養療法(補助的)及び5-ASAによる薬物療法<サラゾピリン、ペンタサ、アサコール>
    2. ステロイド療法(パルス療法、維持療法等)
    3. CAP療法(顆粒球除去療法)・・・G-CAP、L-CAP
    4. 免疫抑制剤寛解導入目的にタクロリムス(プログラフR)、シクロスポリン(サンディミュンR)等
      維持療法としてアザチオプリン(イムランR)
    5. 抗TNFα抗体寛解導入目的にレミケードR、ヒュミラR等
  • 外科的治療・・・例)結腸全摘+回腸・肛門吻合術
  • 厚生省に指定されている特定疾患でもあり、いわゆる難病の一つですが、早期からの適切な加療により、多くの場合、日常生活に支障は来しません。特定疾患の申請をすれば給付金の対象となり、CAP療法、プログラフ等の免疫抑制剤による治療、レミケードやヒュミラ等の抗TNFα抗体投与などの高額な新しい治療も、軽微な個人の負担で受けることができます。

クローン病とは
潰瘍性大腸炎と並んで炎症性腸疾患を代表する疾患。原因は不明で、世界的に、また本邦に於いても、近年罹患率が増加中です。

<症状>

  • 10代から20代での発症が多く、発症過程は通常緩徐です。
  • 腹痛(左下腹部痛)、全身倦怠感、下痢、下血、発熱、貧血、腸閉塞症状、腹部腫瘤、瘻孔、痔瘻等が主症状です。特に難治性又は、複雑な痔瘻から発症することが結構多いことも特徴です。
<病態>
  • 発症部位は、口腔から肛門までの全ての消化管で、特に小腸・大腸に多く発生します。
  • 病変は、非連続性・分節的に進展します。
  • 病理所見として、非乾酪性肉芽腫を特徴とする腸管壁全層に及ぶ慢性炎症を認めます。
<治療(手当て)>
  • 適切な加療を早期より行うことが必要です。
  • 内科的治療
    1. 薬物療法(5-ASA<ペンタサ>、ステロイド、CAP療法、免疫抑制剤<プログラフR等>、抗TNFα抗体<レミケード、ヒュミラ等>等)
    2. 栄養療法(経静脈,経腸管)、特に経腸栄養療法は最重要!
  • 外科的治療・・・腸管部分切除術、腸管狭窄形成術等、内視鏡的腸管拡張術
A-10

S状結腸より以深の大腸癌、細菌性腸炎、虚血性大腸炎、薬剤性腸炎、放射線性腸炎等が考えられます。

大腸癌以外では、腹痛、下痢等の腹部症状を伴うことが多く、便培養検査、起因薬剤の中止、更には大腸内視鏡検査により、鑑別診断は容易です。

A-11

上部消化管(胃・十二指腸)からの出血が最も考えられ、胃又は十二指腸潰瘍、又は胃腫瘍の可能性が高いと思われます。

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A-12

肛門周囲膿瘍と思われます。

肛門周囲膿瘍とは?

A-13

外痔核(血栓性外痔核)と思われます。

血栓性外痔核とは?

A-14

嵌頓痔核と思われます。

嵌頓痔核とは?

A-15

内痔核と思われます。

内痔核とは?

A-16

慢性裂肛に伴う肛門ポリープと思われます。

慢性裂肛とは?

A-17

直腸脱(完全型)と思われます。

直腸脱とは?

A-18

皮垂と思われます。

皮垂とは?
  • 繰り返す裂肛や脱肛により生じる皮膚のたわみで、痛みや出血は伴いません。ですから、皮垂だけでは治療の対象になりません。薬では治りません。注射もレーザーも効きません。
  • しかし、それなりに大きくなり、どうしても気になる場合は治療としては手術で切除するしかありません。ただその場合、悩ましい事に、切除しても再びその近くに新たに皮垂が生じてしまうことがあるのです。これは手術後も毎日使う所であるためある程度やむを得ない事と言えます。
  • 以上の理由から、皮垂の切除は肛門専門医と十分に相談した上で受けるようにして下さい。もちろん、皮垂があるために肛門周囲皮膚炎を繰り返しているなど、医学的に必要な場合手術が勧められる場合もあります。

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