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    野口病院
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大腸肛門科
大腸の病気(がん・ポリープ等)
  1. 大腸内視鏡検査のアンケート結果
    大腸内視鏡検査は、消化器を専門としている施設(総合病院等も含めて)においても専門医がまだまだ少なく、検査はつらく、苦痛以外の何ものでもないといった評価が蔓延しているのが実状です。

    しかし、専門医のレベルは、向上しており、強い鎮静剤を使用することなく、短時間で苦痛のない検査を提供できる時代になって参りました。当院の消化器科・大腸肛門科では、消化器病学会認定医・大腸肛門病学会認定専門医により、群馬大学等における抱負な経験のもと、苦痛のない、的確な検査を提供するよう努力して参りました。

    今回、当院の全大腸内視鏡検査後にとったアンケート結果を掲載します。(1997年秋、115名)

    アンケート結果》 平均年齢 57.2歳、男女比 1.5:1
    @全大腸内視鏡検査を終えて、その余韻の冷めないうちの検査への感想は次の通りです。

        大腸内視鏡検査は苦痛か?
        A: 楽だった  B : 違和感はあったが、苦痛無し  C : やや苦痛であった  D : 大変苦痛だった

    この結果、55%の方は検査は苦痛でなかったと答え、少し苦痛があった程度の方を加えればほぼ全員の、97%の方々が当院の全大腸内視鏡検査ではさほどの苦痛はなかったと答えました。

    A下図は、過去に胃カメラを受けたことのある方で、どちらが楽だったかを集計したものです。

        胃と大腸の内視鏡検査・どちらが楽?

    これによると、当院での全大腸内視鏡検査は、胃内視鏡(胃カメラ)検査より楽であるとする方が全体の過半数を超え60%であったのに対し、胃カメラの方が楽であったとする方は全体の22%に過ぎませんでした。専門医による全大腸内視鏡検査は、技術、器具の進歩により胃の検診並に受けいれられるものと思います。

    B最後に

        今後も大腸内視鏡検査を受ける意志は?
        A : 是非毎年受けたい  B : 必要なら毎年受ける  C : 3-4年に一度なら受ける
        D : できるだけ受けたくない  E : 二度と受けたくない

    以上、毎年受ける意志のある方は、実に75%に達しました。

    • 近年、大腸癌の罹患率は急激に増加してきており、胃癌と同様、癌の早期発見の必要性が盛んに訴えられています。しかし、胃癌検診におけるバリウム検査や、胃内視鏡のように、大腸の検査は普及していません。結局、集団検診となると、便中の潜血反応に頼っているのが現状です。これならば、多くの人が抵抗無く検診を受けてくれるし、なによりマンパワーもさほどいらず、該当年齢の全員に大腸の検査を行うことを考えれば、はるかにコストをかけなくてすみます。便の潜血反応は、昔と違って、人の血液に特異的に反応するなど、かなり改善されています。こうした意味で、集団検診における便潜血反応のチェックは、優れた方法と思いますが、便潜血反応だけでは、進行癌を見逃すこともあり、また、早期癌に至ってはその発見率は30%を切るとの報告もあります。
    • この為、便潜血反応は複数回行われることが多く、やはり一度でも引っかかれば、大腸の精密検査を受けることが必要と思われます。この場合、例え痔があるとしても、痔以外の原因を否定するために、受ける方が安心だと思います。
    • 大腸の精密検査としては、バリウムをおしりから注入する注腸造影法と、おしりから内視鏡を挿入する大腸内視鏡検査の2種類があります。どちらにも一長一短がありますが、大腸の出血性病変が疑われる場合や、小さな早期癌まで見つけてほしいと言うことであれば、私は、大腸内視鏡検査の方が、おすすめできると思います。
    • しかし、大腸内視鏡検査で、全大腸(直腸から、盲腸まで。場合により、小腸の一部も)を診るには、かなりの経験と熟練を要することは事実で、実際全大腸内視鏡検査を通常の診療で行っている施設は、総合病院も含めて、まだまだ十分とはいえません。その上、検査前に大腸をきれいにせねばならず、その方法として、現在行われている、直前に多量の下剤を服用する機械的洗浄法は、従来から行われていた、前日まで検査食を食べ、下剤を服用する方法(Brownの変法、 現在でも注腸造影ではこの方法を用います。)と比べて、格段に大腸がきれいになるため、大変優れた方法なのですが、冒頭で述べた、服用しにくいと言う問題があります。しかし、この問題も、種々の工夫の他、新たな洗浄液等の登場により、近い将来、解決することと思います。
    • 現在、大腸内視鏡い検査直前に飲む下剤としては、以下のものがあります。
      • ニフレックR:従来から用いられている。通常2,000ml服用。最も効果に優れる。少し生臭く、やや飲みにくい。
      • マグコロールPR:ポカリスウェット用の味。通常1,800ml服用。飲みやすい。
      • ヴィジクリアR:錠剤を好きな飲み物(お茶、水、など)で飲むタイプ。通常5錠に付き200mlを10回繰り返す(計2,000ml)。セルロースの結晶が多量に出現し、観察に支障をきたすこともあったが、最近改善された。好きなお茶等でOKという点が、おススメ。
    • 現在のところ、まだまだ、改善しなければならない問題も多いのですが、一般の方々が、大腸内視鏡検査は大変辛いようですね、などといっているの聞く度に、大腸の検査は、専門で受けるかそうでないかで大きな差が出るということをわかってほしい、などと思っています。

  2. 便秘と痔・大腸がん
    Q-1 :以前から便秘で悩んでいます。一向に良くならず心配です。(32歳、女性)

    Q-2 :半年前から便秘で、徐々に進行しています。癌でしょうか?(46歳、男性)

    A :便秘には機能性便秘と症候性便秘があり、殆どは機能性です。前者の対処法は規則正しい生活であり、一日三食、十分な睡眠、適度な運動の継続が基本です。そして十分な水分と食物繊維の摂取が重要です。穀類、芋類、豆類、根菜類、海藻類、きのこ類、果物などを毎食摂取しましょう。レタス等のかさのある生野菜は繊維を十分には摂れません。野菜は温野菜にしてかさを減らすと良いでしょう。そして、便意は我慢しないことです。

    症候性便秘の原因には、大腸癌等による通過障害が代表的で、慢性の切れ痔(裂肛)による肛門狭窄や高度の脱肛も一因となります。対処法は機能性便秘に準じますが、早期の診断・治療が肝心です。

    便秘が機能性か症候性かの判断は難しい場合が多く、遷延化あるいは悪化したり、血便を伴うようなら、早めに大腸・肛門病の専門医を受診しましょう。大腸と肛門は、連続した一つの臓器ですから、一方だけを診るのでは片手落ちとなることも多いのです。現在、専門医のもとでは、鎮静剤を用いずに苦痛の無い全大腸内視鏡検査を行うことが当然となっています。そして、殆どの早期癌やポリープの内視鏡下治療がその場で安全・確実に行えます。大腸癌の原因は、遺伝や食生活の欧米化等いろいろ考えられていますが、現在最も確実な予防法は、大腸内視鏡による定期検査を受けることです。

  3. 大腸内視鏡検査はなぜ辛い?
    近年大腸ガンは急増しており、早期発見・治療のために精密検査である全大腸内視鏡検査(すべての大腸・直腸を観察)が欠かせません。しかし、この検査に多くの人は強い抵抗があります。その理由として、大腸をきれいにする前処置が大変だ、という声と、とても痛く苦しい検査だという声が多く聞かれます。本当にそんなに辛い検査でしょうか?

    大腸は、右下腹部の盲腸に始まり右上腹部へ向かい、ここで屈曲し左上腹部へ横切り(横行結腸)、さらに屈曲し左下腹部へ向かいます(下行結腸)。そして急な屈曲後S状結腸へ移行し、直腸・肛門へと達します。横行結腸とS状結腸は、周囲に固定されていない点が他の結腸と異なり、とても長く蛇行するケース多くみられます。

    大腸内視鏡の手技の進歩はめざましく、以前は二人で内視鏡操作をしていましたが、現在は一人で挿入する一人法が主流です。基本的には、約120cmの長さの大腸を短縮しながら屈曲を解除しつつ挿入します。無理に押し込むとすぐに腸管は進展して大きなループを描いてしまい、耐え難い疼痛を引き起こします。また、挿入時空気を入れすぎるとお腹がパンパンにはってしまい大変な苦痛になります。各屈曲部はむやみな挿入では通過できず、特にS状結腸から下行結腸への挿入は難しく、ここで大変な時間をかけ、苦痛を与えてしまうことがままあるようです。人により大腸の長さや走行はまちまちで、どんな人にも常に盲腸まで挿入するにはかなりの経験を有しますが、解剖を熟知し、送気を控えめにして、短縮を進めながら挿入できれば、挿入に伴う痛みはほとんどなく、しかもごく短時間に挿入できます。実際ほとんどの人は数分で盲腸まで到達します。胃カメラより楽、という人がほとんどです。専門医の元での検査は、とても楽にできると思います。検査前に多量の下剤を飲みますが、当院採用の下剤はスポーツドリンク風で飲み安く好評です。また、下剤(錠剤)を自分の好きなドリンクで飲める前処置法もあり、こちらも好評です。

  4. 炎症性腸疾患(IBD)について    繰り返す下痢・血便は要注意
    若い人に発症する腸の病気についてお話しします。主訴は腹痛・発熱・下痢・暗赤色血便です。肛門の出血の殆どは真っ赤で、暗赤色の場合病変部は肛門より奥の直腸又は大腸にあると考えます。腫瘍も否定できませんがまず腸の炎症が疑われます。即ち、食中毒などによる細菌性腸炎、薬剤性腸炎、寄生虫感染症、虚血性腸炎などです。更に若い方で注意すべきものに炎症性腸疾患(IBD)があり、『潰瘍性大腸炎(UC)』と『クローン病(CD)』が代表です。前者は20〜30歳代に、後者は10〜20歳代に好発し、供に原因不明で最近増加傾向にあります。両者とも厚労省指定の特定疾患(難病)です。これらの疾患の鑑別には、全大腸内視鏡検査が不可欠で、内視鏡下に病理組織検査を行います。UCは直腸から奥へ連続性に大腸のみおかす特徴があり、多くは慢性的ですが、中には急激な発症・再燃を起こして大腸全摘出術が必要になることもあります。CDでは多くは10歳代から下痢を繰り返すことが多く、腸穿孔や腸閉塞、或いは腸管同志や腸管と皮膚との瘻孔形成が引き起こされることがあります。中でも難治性の複雑痔瘻(あな痔)による肛門周囲膿瘍で発症することが多いのが特徴です。慢性的で、主に小腸・大腸が非連続性に犯され、しばしば経過中に開腹手術が必要となります。IBDは適切な加療(食事療法、薬物療法等)を早期より行えばより早い緩解が得られ、通常の生活が送れるようになります。そのためには長引く下痢や時にでも出血がある方、或いは肛門周囲膿瘍を繰り返している方は、早めに専門医を受診し大腸内視鏡検査を受けましょう。

  5. 大腸前処置法
    当院では、全大腸内視鏡検査前の前処置として、マグコロールP100gを1800ccの水に溶かしたものを服用して頂いています。スポーツドリンク風の味で大変飲みやすくなっています。
    また、錠剤(ビジクリア錠)を自分の好みの飲み物で服用して頂く方法もあります。飲み物はお茶、ミネラルウォーター等糖分をあまり含有していないものならOKです。約1,800〜2,000cc服用して頂きます。マグコロールPも飲みやすいですが、更に選択肢が広がりました。

  6. 肛門疾患の治療費
    当院は、保険診療機関です。日帰り手術、短期入院手術も行っていますが、仮に10日間入院した場合、脱肛の場合なら2割負担の方で5万円前後、3割負担の方で7〜8万円位の負担となります。また、痔瘻であれば、2割負担の方で4〜5万円位、3割負担の方で7万円位です。複雑痔瘻では入院期間が少し長くなります。このほか、差額ベッドを利用した場合の部屋代が追加される程度です。